この記事では
- 飽和水蒸気量のイメージ
- 飽和水蒸気量と水蒸気量の関係
- 露点
を身につけることが目的です。
難しい計算問題は出てこないので、安心してください。
ノート① 飽和水蒸気量とは
飽和水蒸気量は、空気1m3中に含むことができる最大の水蒸気量のことです。
また、単位はg/m3です。
こちらが、気温と飽和水蒸気量との関係を示す表です。この表から、気温が高くなると飽和水蒸気量も大きくなることがわかります。
気温(℃) | 0 | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 |
飽和水蒸気量(g/m3) | 4.9 | 6.8 | 9.4 | 12.8 | 17.2 | 23.0 | 30.3 |
ここで、飽和水蒸気量のイメージを覚えておきましょう。
水蒸気が入る袋が飽和水蒸気量というイメージをもってください。
飽和水蒸気量という袋の中に水蒸気が入っているわけです。
ノート② 飽和水蒸気量と水蒸気量の関係
では、10℃、20℃、30℃の空気1m3中に水蒸気がそれぞれ17.2g含まれている状態について考えてみましょう。
30℃の空気1m3中に水蒸気が17.2g含まれている状態
まず、30℃の空気1m3中に水蒸気が17.2g含まれている状態について考えます。
30℃での飽和水蒸気量は30.3gなので、最大で30.3gまで水蒸気を含むことができます。
したがって、17.2gの水蒸気は余裕で入りますね。
図にすると、こんな状態です。
20℃の空気1m3中に水蒸気が17.2g含まれている状態
次に、20℃の空気1m3中に水蒸気が17.2g含まれている状態について考えます。
20℃での飽和水蒸気量は17.2gなので、最大で17.2gまで水蒸気を含むことができます。
今回の水蒸気量が17.2gなので、ギリギリ含むことができました。
図にすると、このような状態です。
このような状態のときの温度を露点と言います。
露点は、空気中の水蒸気が水滴に変わるときの温度のこと、を言います。
また、露点では、飽和水蒸気量と水蒸気量が等しくなります。
10℃の空気1m3中に水蒸気が17.2g含まれている状態
最後に、10℃の空気1m3中に水蒸気が17.2g含まれている状態について考えます。
10℃の飽和水蒸気量は9.4gなので、最大で9.4gまでしか水蒸気を含むことができません。
17.2gの水蒸気があるとどうなるのでしょうか?
17.2gの水蒸気のうち、9.4gまでは水蒸気として飽和水蒸気量の袋に入っています。
しかし、残りの7.8g(= 17.2 – 9.4)は水滴として存在することになります。
図にすると、こんな状態です。
露点よりも温度が下がると、水蒸気の一部は水滴として存在することになります。
練習問題
- 空気1m3中に含むことができる水蒸気の最大量を何というか。
- 気温15℃のときの飽和水蒸気量を答えよ。
- 空気中の水蒸気が水滴に変わるときの温度を何というか。
- 気温20℃の空気1m3中に水蒸気が12.8g含まれているとする。この空気1m3にはあと、何gの水蒸気を含むことができるか。
- 気温20℃の空気1m3中に水蒸気が12.8g含まれているとする。この空気の露点は何℃か。
- 気温20℃の空気1m3中に水蒸気が12.8g含まれているとする。この空気の温度が10℃まで下がると、空気1m3中では、何gの水滴ができるか。
問題の解答と解説
- 飽和水蒸気量
- 12.8g (←覚えなくてOK。表やグラフから読み取れるようになろう!)
- 露点
- 4.4g
- 15℃
- 3.4g