インスタにも,今回の記事の内容の一部をまとめています.
中学理科にでてくる指示薬まとめ
この記事では,中学理科で出てくる指示薬についてまとめます.
指示薬(しじやく)とは,特定の物質又はある性質を持つ物質を検出し,反応するもののことである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/指示薬
つまり,得られた物質が何かを確かめたいときに使う薬品のことを言います.
リトマス試験紙(リトマス紙)
リトマス試験紙には青色と赤色の2種類あります.
それぞれの色が変化することで,酸性,アルカリ性を調べることができます.
中性では,色は変わりません.
- 調べられるもの
- 酸性,中性,アルカリ性
- 変化
酸性 | 中性 | アルカリ性 | |
青色リトマス紙 | 赤色に変化 | 変化なし | 変化なし |
赤色リトマス紙 | 変化なし | 変化なし | 青色に変化 |
BTB溶液のBTBは”bromothymol blue”の略です.
“blue”,つまり元々青色をしているんですね.
青色ということは,アルカリ性の状態でビンに保存されています.
アルカリ性 ⇨ 中性 ⇨ 酸性と変化していくについれて,青色 ⇨ 緑色 ⇨ 黄色を変化して行きます.
- 調べられるもの
- 酸性,中性,アルカリ性
- 変化
性質 | 酸性 | 中性 | アルカリ性 |
色 | 黄 | 緑 | 青 |
塩化コバルト紙
塩化コバルトは,いくつか種類があり,水を含んでいないものは上の写真にあるように,青色をしています.
水を含むと,赤色に変化する性質を利用して,水が含まれているかを調べるために使用します.
- 調べられるもの
- 水
- 変化
- 青色 ⇨ 赤色
フェノールフタレイン液
上の写真は,溶液のpH9のときのフェノールフタレイン液の色です.
色鮮やかななピンク色をしています.
フェノールフタレイン液は元々無色透明ですが,アルカリ性に反応して赤色に変化します.
- 調べられるもの
- アルカリ性
- 変化
- 弱アルカリ性 ⇨ うすい赤色
- 強アルカリ性 ⇨ 濃い赤色
石灰水
石灰水は無色透明で学習すると思いますが,実際には,上の写真にある水酸化カルシウムという白い固体が溶けています.
- 調べられるもの
- 二酸化炭素
- 変化
- 無色透明が白くにごる
実は,石灰水が二酸化炭素で白くにごる反応は,中和反応です.
中和反応は,中学3年生で学習します.
石灰水に溶けている水酸化カルシウムと二酸化炭素が反応して,白い炭酸カルシウムがでてくることで,白くにごることになります.
さらに,二酸化炭素を吹き込むと,白くにごった石灰水が無色透明になります.
ヨウ素液
ヨウ素液は,中学2年生で学習する生物分野で出てきます.人体の分野ですね.
- 調べられるもの
- デンプン
- 変化
- 青紫色
ベネジクト液
ベネジクト液も,ヨウ素液と同様,中学2年生で学習する生物分野(人体)で出てきます.
デンプンという栄養素は,消化液であるだ液に消化され,糖になります.
糖に変化したかどうかを確かめるために,ベネジクト液を用います.
ベネジクト液を加え,加熱すると,赤かっ色の沈殿ができます.
- 調べられるもの
- 糖
- 変化
- 加熱すると,赤かっ色の沈殿ができる.
酢酸カーミン溶液(酢酸オルセイン溶液)
生物分野で学習する,細胞や染色体を観察するときには,酢酸カーミン溶液,もしくは酢酸オルセイン溶液を使用します.
核や染色体を赤色に染め,観察しやすいようにします.
- 調べられるもの
- 核や染色体
- 変化
- 赤色に染色
Wikipediaによると,酢酸オルセイン溶液よりも酢酸カーミン溶液の方が染色されやすいとされています.
https://ja.wikipedia.org/wiki/酢酸カーミン溶液
酢酸カーミン溶液,酢酸オルセイン溶液の他には,酢酸ダーリア溶液も核や染色体を赤色に染めることができます.
酢酸ダーリア溶液は,染色の成功率が高いが,値段が高いので,中学の実験では,酢酸カーミン溶液や酢酸オルセイン溶液が用いられています.
名前に”酢酸”とついているので,”お酢”の匂いがします.
硝酸銀水溶液
- 調べられるもの
- 塩素
- 変化
- 白色沈殿ができる
水溶液中の塩素(正確には,塩化物イオン)と反応して,白色沈殿を生じます.
硝酸銀水溶液を加えて白色の沈殿が生じると,水溶液中に塩素(塩化物イオン)が含まれていることがわかります.
ちなみに,白色沈殿の正体は,塩化銀(AgCl)です.
ちなみに,塩化銀はこんなんです.見た目通り,白いですね.
炎色反応
炎色反応(えんしょくはんのう)(焔色反応とも)とは、アルカリ金属やアルカリ土類金属、銅などの金属や塩を炎の中に入れると各金属元素特有の色を示す反応のこと。金属の定性分析や、花火の着色に利用されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/炎色反応
簡単にいうと,金属元素が含まれているかどうかを確認する方法です.
ガスバーナーの色は,空気の量を適切に調整すると,ほとんど目に見えないくらいうすい青色をしています.上の写真.
例えば,ナトリウムの炎色反応は下のように,黄色になります.
- 調べられるもの
- 金属元素の有無
- 変化
- ナトリウム → 黄色
- リチウム → 赤色
他の金属元素の色を見たい方は,リンク先に飛んでください.⇨ コチラ
おまけ(化学系研究者が利用するときは)
メーカーの化学系研究職である私が利用するときは,こんなpH試験紙を使います.
pH1から14まで溶液のpHをざっくり調べることができます.
もっと詳しく調べたい時には,こんなpH試験紙を使う場合もあります.
1枚のpH試験紙に色が変わる箇所が4つあり,その4つの組み合わせでpHを調べることができます.
また,BTB液の色の変化は,黄・緑・青と学習しますが,pHによって,こんなにも色が変化します.
キレイな色の変化ですね.