- 本記事の内容
- 火成岩のでき方
- 火山岩と深成岩
- 斑状組織と等粒状組織
- 火成岩の鉱物の割合による6つの分類
- 火成岩の見分け方
- 【おまけ】火成岩の覚え方
火成岩の種類
火成岩とは,マグマが冷え固まってできた岩石のことです.
冷え固まる場所によって,火成岩を2種類に分類することができます.
地表や地表付近でできた火成岩を,火山岩と言います.
地下深いところでできた火成岩を,深成岩と言います.
- 火成岩
- マグマが冷え固まってできた岩石.
- 2種類: 火山岩,深成岩
- 火山岩
- マグマが地表付近で急に冷え固まってできた岩石.
- 深成岩
- マグマが地下深くでゆっくり冷え固まってできた岩石.
火山岩と深成岩のつくり
火成岩には2種類あり,火山岩と深成岩でした.
それぞれの岩石を顕微鏡で観察すると,異なるつくりであることがわかりました.
火山岩を顕微鏡で観察すると,比較的大きな鉱物と,それを囲んでいる部分がありました.
比較的大きな鉱物を斑晶,囲んでいる部分を石基と言います.
このようなつくりを,斑状組織と言います.
火山岩
- 斑状組織
- 斑晶
- 比較的大きな鉱物
- 石基
- 斑晶の周りにある鉱物
一方,深成岩はどのようなつくりをしているでしょうか?
深成岩を観察すると,大きな鉱物が組み合わさってできていました.
このようなつくりを等粒状組織と言います.
深成岩
- 等粒状組織
- 大きな鉱物が組み合わさってできている
斑状組織と等粒状組織
2種類の火成岩をまとめると,上の画像のようになります.
火山岩
- マグマが地表付近で急に冷え固まってできた岩石
- 斑状組織
- 斑晶と石基
深成岩
- マグマが地下深くでゆっくり冷え固まってできた岩石
- 等粒状組織
火山岩と深成岩の種類
火成岩は火山岩と深成岩の2種類に分類することができました.
さらに,火山岩を3種類,深成岩を3種類に分類することができます.
火成岩
- 火山岩と深成岩
火山岩
- 流紋岩(りゅうもんがん)
- 安山岩(あんざんがん)
- 玄武岩(げんぶがん)
深成岩
- 花崗岩(かこうがん)
- 閃緑岩(せんりょくがん)
- 斑れい岩(はんれいがん)
鉱物の種類と割合による火成岩の種類
火成岩はいくつかの鉱物が集まってできています.
鉱物についての解説はこちらから.
火成岩をつくる鉱物(造岩鉱物)の種類まとめ【全6つ,写真付】
その鉱物には,無色鉱物と有色鉱物の2種類あります.
無色鉱物や有色鉱物が含まれる割合によって,火成岩の色が異なります.
例えば,上の画像にあるように,流紋岩や花こう岩には,無色鉱物であるセキエイやチョウ石が多く含まれているので,白っぽい色になります.
火成岩の色は,無色鉱物と有色鉱物が含まれる割合で決まる.
(例) 流紋岩や花こう岩には無色鉱物(セキエイ,チョウ石)が多く含まれるため,白っぽい色になる.
火成岩の見分け方
では,上のような問題を考えてみましょう.
【問題】
以下のようなつくりの火成岩が見つかった.火成岩の名称を答えよ.
【考え方】
- 火成岩のつくりから,等粒状組織がわかり,深成岩とわかります.
- 含まれている鉱物には,セキエイ,チョウ石,クロウンモがあります.
- 深成岩で,セキエイ・チョウ石・クロウンモが含まれているのは
⇨「花こう岩」となります.