今回は,問題演習を中心に解説していきます.
日周運動と年周運動のまとめについてはこちらの記事から復習してください.
- 星の日周運動と年周運動の問題を解くときのまとめ
- 日周運動
- 星が1日で1周して動いてみえる現象
- 原因は,地球の自転
- 1時間で15°進む (= 360°÷24時間)
- 問題文で「時間」が変わったときに使う
- 年周運動
- 星が1年で1周して動いてみえる現象
- 原因は,地球の公転
- 1ヶ月で30°進む (= 360°÷12ヶ月)
- 問題文で「月日」が変わったときに使う
星の日周運動と年周運動の問題を解くときのポイント
星の運動には2種類あり,日周運動と年周運動です.
日周運動や年周運動は,地球が自転や公転をすることによって,星が動いてみえるみかけの運動のことです.
実際には,動いていないよ.
地球が動いているから,星が動いているように見えているだけだよ.
日周運動と年周運動での星の動き方を覚える
また,日周運動や年周運動では,星は決まった方向に動きます.
北の空では,北極星を中心にして,反時計回り.
南の空では,東からのぼり,南を通り,西へしずみます.
星の動き
- 北の空
- 北極星を中心にして,反時計回り
- 南の空
- 東からのぼり,南を通り,西へしずむ
日周運動と年周運動の問題を解くときのポイント
日周運動は,地球のまわりを1日で1周する運動です.
つまり,24時間で360°進むので,
360° ÷ 24時間 = 15°/時間
したがって,1時間で15°進むことになります.
年周運動は,地球のまわりを1年で1周する運動です.
つまり,12ヶ月で360°進むので,
360° ÷ 12ヶ月 = 30°/月
したがって,1ヶ月で30°進むことになります.
表の使うときというのは,問題を解くときに,日周運動,年周運動のどちらを使うのか?ということです.
問題文で,「夜8時にみえる位置は?」の場合,時間が変わっているので,日周運動を考えます.
一方.「3ヶ月後にみえる位置は?」の場合,月日が変わっているので,年周運動を考えます.
では,問題を通して,日周運動と年周運動の問題を解いていきましょう.
【問題】星の日周運動と年周運動に関する問題
【問題】
上図は,ある日の午後9時にRの位置に星を観察したことを示している.
- 同じ日の午後7時には,どの位置に星が見えるか.
- 1ヶ月後の午後9時には,どの位置に星が見えるか.
- 2ヶ月後の午後7時には,どの位置に星が見えるか.
このような問題は頻出です.問題文で「時間」「月日」のどちらが変わっているのか?を見つけながら解いていきます.
「時間」が変化している場合
問題文から同じ日の午後7時になっています.
したがって,「時間」が変わっているので,「日周運動」を考えます.
日周運動は1時間で15°進むので,午後9時から午後7時では,
「2時間前」なので,「30°もどる」となります.
したがって,Rの位置から30°もどると,答えは「Q」です.
「月日」が変化している場合
問題文から時間は午後9時で同じですが,1ヶ月後となっています.
したがって,「月日」が変わっているので,「年周運動」を考えます.
年周運動は,1ヶ月で30°進むので,
「1ヶ月後」なので,「30°進む」となります.
したがって,Rの位置から30°進むと,答えは「S」です.
「時間」も「月日」も変化している場合
問題文から,2ヶ月後,午後7時と,「月日」も「時間」も変わっています.
その場合は,日周運動と年周運動の両方を考えます.
年周運動は1ヶ月で30°進むので,「2ヶ月後」は,「60°進む」ことになります.
日周運動は1時間で15°進むので,午後9時から午後7時は,
「2時間前」なので「30°もどる」となります
したがって,年周運動で60°進み,日周運動で30°もどる.
つまり,合計で30°進むことになります.
Rの位置から30°進むと,答えは「S」となります.