この記事では,凸レンズを用いた物体と像の大きさや向きの関係について学んでいきます.
「焦点距離の2倍の位置」を基準として理解すると,覚えやすいです.
- 凸レンズにおける像の大きさのまとめ
- 像は実像と虚像の2種類
- 焦点距離の2倍の位置に物体をおく
- 焦点距離の2倍の位置に,同じ大きさの実像ができる
- 焦点の上に物体をおく
- 像ができない
- 焦点と凸レンズの間に物体をおく
- 虚像ができる
凸レンズの作図についてはこちらの記事をご確認ください.
凸レンズにおける像の大きさ
実像ができる3パターン
上の画像にあるように実像ができるのは,3パターンです.
まずは「焦点距離の2倍の位置」に物体を置いたときにできる像の大きさと向きについて覚えましょう.
焦点距離の2倍の位置に物体を置くと
- できる像の位置は,焦点距離の2倍の位置にできる.
- できる像の大きさは,物体と同じになる.
①焦点距離の2倍の位置
最初に覚えるべき「基準の位置」に物体を置いた状態です.
基準の位置とは,「焦点距離の2倍の位置に物体を置く」ときのことです.
凸レンズの左側,焦点距離の2倍の位置に物体を置くと,凸レンズの右側に焦点距離の2倍の位置に実像ができます.
また,できる像の大きさは物体と同じになり,上下左右が逆になります.
基準の位置:焦点距離の2倍の位置に物体を置く
- できる像の位置は,焦点距離の2倍の位置
- できる像の大きさは,物体と同じ
- できる像の向きは,上下左右が逆の実像
②焦点距離の2倍の位置より近い
では,焦点距離の2倍の位置より物体を凸レンズに近づけましょう.
物体を置く具体的な位置は,焦点距離の2倍の位置と焦点の間になります.
凸レンズの左側,焦点距離の2倍の位置と焦点の間に物体を置くと,
凸レンズの右側に焦点距離の2倍の位置より遠い位置に実像ができます.
また,できる像の大きさは物体より大きくなり,上下左右が逆になります.
焦点距離の2倍の位置と焦点の間に物体を置く.
- できる像の位置は,焦点距離の2倍の位置より遠い
- できる像の大きさは,物体より大きい
- できる像の向きは,上下左右が逆の実像
③焦点距離の2倍の位置より遠い
では,焦点距離の2倍の位置より物体を凸レンズから遠ざけてみましょう.
凸レンズの左側,焦点距離の2倍の位置より遠い位置に物体を置くと,
凸レンズの右側に焦点距離の2倍の位置より近い位置に実像ができます.
また,できる像の大きさは物体より小さくなり,上下左右が逆になります.
焦点距離の2倍の位置より遠い位置に物体を置く
- できる像の位置は,焦点距離の2倍の位置より近い(焦点距離の2倍の位置と焦点の間)
- できる像の大きさは,物体より小さい
- できる像の向きは,上下左右が逆の実像
像ができない
次に,焦点の上に物体を置いてみましょう.
上の画像にあるように,凸レンズ通過後,物体の先から出た2つの光は,平行になり,光が集まらないため像はできません.
焦点の上に物体を置くと,像はできない.
虚像ができる
最後に,焦点と凸レンズの間に物体を置いてみましょう.
物体の先から出た光は凸レンズ通過後には,光が集まらないので,実像はできません,
しかし,凸レンズの右側から見ると,延長線上に光が集まっているようにみえます.
したがって,交点の部分に像があるようにみえます.
このように,まるでそこにあるかのようにみえる像のことを虚像と言います.
虚像は,物体よりも大きくなり,同じ向きになります.
焦点と凸レンズの間に物体を置く
- 虚像ができる
- 虚像は,物体より大きい
- 虚像は,同じ向き