この記事では,化学変化の「鉄と硫黄の反応」について学習して行きます.
これまでの教科書には「化合」という用語がありました.が,新しい指導要領から「化合」という言葉がなくなっています.
2つ以上の物質がくっつくというイメージです.
化合とは,2つ以上の物質がくっついて,全く異なる1つの物質になる化学変化のことです.
化合の中でも,酸素とくっつく化合を,酸化と言います.
この記事では,鉄と硫黄がくっつく化学変化について学習していきましょう.
鉄とは?硫黄とは?
鉄はわかりますよね?
金属なので,光沢があり,電気を流します.たたくとうすく延びたりします.
硫黄って知っていますか?
実は,硫黄とひとことで言っても,いくつか種類があります.
斜方硫黄,単斜硫黄,ゴム状硫黄など.これらは高校の化学で学習します.
ちなみに,上の写真の硫黄は,斜方硫黄といいます.
綺麗な黄色をしていますね.
鉄
- 金属
- 光沢がある
- 電気を流す
- 磁石にくっつく
硫黄
- 黄色
【実験】鉄と硫黄の化合
鉄と硫黄の化合は以下の器具を用いて行います。
鉄と硫黄の反応(化合)前と反応後での性質の違いは?
鉄と硫黄を混合して加熱すると,光と熱を出す激しい化学変化が起こった.いったん化学変化が始まると,加熱をやめてもそのまま化学変化が進んだ.
完全に反応が終わり,試験管が覚めてから,反応後の物質を観察すると,黒色の物質ができていた.
上の表にまとめたように鉄と硫黄の混合物を加熱すると,性質の全く異なる物質ができることがわかった.
この化学反応式は次のように表すことができる.
鉄と硫黄の反応(化合)の化学反応式
- 鉄 + 硫黄 → 硫化鉄
- Fe + S → FeS
【問題と解答】鉄と硫黄の反応(化合)に関するよく出る問題
【まとめ画像】鉄と硫黄の反応
硫化水素による事故
2021年に起こった硫化水素に関連する事故です.
実験中は換気をしており,適切に作業していたにも関わらず,このような事故が発生しています.
思わぬ事故を防ぐためにも,十分に気をつけて実験をするよう心がけてください.
17日午後、佐賀県大町町の小中一貫校「大町ひじり学園」で理科の実験中に生徒が体調不良を訴え、保健室で校医の診察を受けました。大町町教育委員会によりますと鉄と硫黄の化合物に塩酸を入れ、発生した硫化水素の臭いをかいでいたところ、中学2年生にあたる8年生の生徒13人が頭痛や具合が悪いといった体調不良を訴えたということです。1人が医療機関に救急搬送されましたが、この生徒も含め全員、症状がおさまり帰宅していて、学校は保護者へ連絡しました。
https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2021061706265, 2021/06/17 (木) 19:45
10日午後0時20分ごろ、松山市の市立北中学校から「理科の実験後、体調不良者がいる」と消防に通報があった。市教育委員会などによると、2年生の生徒21人が病院に搬送されたが、いずれも意識があり軽症という。生徒らは午前中にあった理科の授業で硫化鉄を使った実験をしており、発生した硫化水素を吸い込んだとみられる。消防が13人を搬送し、8人は学校が手配したタクシーで病院に運ばれた。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021051000911&g=soc, 2021年05月10日18時17分
コメント
おかげでいい資料になりました