今回は,光の屈折について学習していきます.
また,新課程で追加されたプリズムもふれます.
光の屈折・全反射のまとめとプリズムについて
Instagramにて,光の屈折・プリズムについてまとめました.
光の屈折とは
屈折
- 光が異なる物質の間を進むとき,光が折れ曲がる現象のこと.
身近な屈折の例
コップの中に鉛筆が入っていますが,折れ曲がっていますね.
これは,光の屈折が起きている身近な例です.
屈折角とは
入射角や反射角と同じように,屈折角も,屈折する境界面に対して垂直な線を考えます.
その垂直な線と屈折する光との間の角度を屈折角といいます.
屈折角
- 屈折する境界面に対して垂直な線と光の間の角度のこと
屈折のしかた:空気⇔ガラス
屈折角で覚えるのは1つだけで,上の画像です.
「光が空気から水やガラスに進むとき,光は下にもぐる.」と覚えてください.
そのとき,入射角と屈折角は,入射角の方が大きくなります.
逆に,水やガラスから空気へ光が進むときは,入射角の方が小さくなります.
屈折角で覚えるのは1つだけ
- 光が空気から水やガラスへ進むとき,下にもぐる.
- 屈折角より入射角の方が大きくなる.
全反射とは
光が,空気から水やガラスへ進むとき,入射角の方が大きくなりました.
逆に,水やガラスから空気へ光が進むとき,入射角は小さくなり,屈折角が大きくなります.
この現象を利用したのが,全反射です.
水やガラスから空気へ光を進めるとき,入射角をどんどん大きくしていくと,屈折角も大きくなります.
やがて,屈折角は90°になり,その後,全ての光は反射します.この現象を全反射といいます.
全反射
- 水やガラスから空気へ光が進むとき,入射角と大きくしていくと,全ての光が反射すること.
※水やガラスから空気へ光が進むときのみ起こる現象.
全反射の身近な例:光ファイバー
ファイバーは,英語で「繊維」という意味です.
光ファイバーは,繊維の中で光が全反射することで,繊維の中を光が通ることができます.
そして,離れた場所に光を届けることができます.
光ファイバーは,コアと呼ばれる芯と,芯の外側のクラッドの二重構造になっています.
コアとクラッドの間で光を全反射させることにより,光を伝えています.
コアやクラッドには一般的にガラスが用いられています.
プラスチック製の光ファイバー
慶應義塾大学の小池康博教授の研究チームは,「通信エラーがほとんど発生しないプラスチック製の光ファイバー」を開発したとニュースになっていました.
光ファイバーには,一般的にガラスが用いられているのですが,ガラスを加工するコストが高く,またガラス自体が折れやすいといったデメリットがあります.
プラスチックで光ファイバーができれば,折り曲げることができるので,ロボットなどのいろいろな機械に導入されそうですね.
白色光とは
太陽や白色電灯からでた光を白色光といいます.
白色光には,いろいろな色が混ざっています.
そのため,白色光に混ざっている色が異なる角度で屈折すると,いろいろな色を観察することができます.
虹の正体
太陽の光は白色光なので,いろいろな色が混ざっています.
混ざっている色が,空気と水の境界で,異なる角度で屈折するので,複数の色を観察することができます.
これが虹の正体です.
プリズムとは
プリズムは,ガラスや水晶(すいしょう)などの透明でできた三角柱などの多面体です.
プリズムを使うと,白色光が複数の色に分かれる現象を観察できます.
虹と同じ原理で,混ざっている光で異なる角度で屈折するためです.